続・音楽によるROCKによる生活

音楽(ROCK)中心のブログです

クララ・シューマン

   
       

   春ぐらいに、クラシックのピアノと作曲を専攻している、大学を卒業したばかりの女性と

   話しをする機会がありました。音楽教室の先生の仕事をやりつつ、作曲を勉強しながら

   ピアノを毎日4時間練習しているらしい。いやはや、若いのに真面目で熱心で感心しますよ~と

   褒め称えると、これがなかなかキツイのですと話してくれた。仕事をしてると練習や勉強が

   滞るが、練習を続けないと今まで勉強したことが意味が無くなるし、とはいえなかなか

   経済的に自立するのが難しい、と。先がなかなか見えないと悩んでいるようでした。


   数年前にウィーンに単に観光として行ったことがあるのだけれど、音楽の街として名高い

   この地はなかなか敷居の高そうな街でした。実際、ガイドさんが言うには住みにくい街らしい。

   古い建造物が多いから壊すわけにも行かず、それがそのままアパートになっているらしいが

   冷暖房は元より無いし水周りなど酷いものらしい。古き伝統と誇り高きプライドがある

   この街は、外部の人間などなかなか受け入れてくれないだろうなと少し思った。

   実際、ウィーンフィルのメンバーは代々音楽家が多いと聞くし、近年までメンバーに

   女性が選ばれることは無かったようです。

   
   話が飛びますが、先日、「クララ・シューマン 愛の協奏曲」という映画を観ました。

   シューマンの妻であるクララは、クラシック愛好家には良く知られた存在らしい。

   シューマンブラームスは知ってるとはいえ、どちらかというとクラシックに疎い自分にも

   十分に引き込まれる内容でした。予告だけ見ると、不倫劇かぁ~?と愛の三角形云々を

   想像してしまいますが、あくまでストーリーは音楽を愛するが故の、絶望に悲しみ、

   また喜びと官能に酔う(陳腐な言葉だなー)クララという妻でありピアニストの女性の

   生き方を描いた作品でした。シューマンブラームス、またクララの曲が随所に流れ、

   その音楽が人の運命そのものを映像で描かれていて、それが凄まじくドラマチックでした。


   クラシック音楽への偏見がこの映画で少し無くなりました。実際、偏見も差別も存在するのだ

   ろうけれど、それは今も昔も変わらないし自分が変わらないと変わらないってヤツなんだろうな。

   上に書いた、音楽家の卵の方にもう会うことはないのだけれど、この映画のクララのように

   たくましくピアノを弾き続けて欲しいな。