とはいえ、ミッシェルの後期の作る曲はどんどんヘビーになってくる。
サウンドは重く乾いた音で、唄は激しくも何処かしら儚げというか。
このバンドの解散の理由は「音楽の行き詰まり」とされるけど、それだけじゃなかったと。。
結局、スタンディングにこだわると、ライブの場所は選ぶわけで・・何処もZEPPみたいに整った
ライブ・ハウスばかりでは無いわけです。
大体のライブハウスは音響も空調もそこそこ。そこでミッシェルのようなバンドを見ると満員で
酸欠もいいとこ。汗だくになりながら演奏しているメンバーを見るとこんなことは長く続けるのは、
難しいだろうと思ったことがある。
また、「ギヤ・ブルース」以降、レコードのセールスがさほど伸びなかったというのもあったと思う。
要は、スタンディングにこだわらず席指定のライブをやり、チケット代も上げ、テレビや雑誌に
ちょくちょく顔を出すバンドになっても良かったけれど、それが出来なかった。また、音楽性を邦楽ファンの
ニーズに合わせられる器用さもなかった。
メジャーで自由にやるのも限界があり、とはいえマイナーでやるには人気が出すぎたというか・・。
幕張の解散ライブを思い出すと、自分たちのやり方を最後まで突き通したのだな・・と今になってそう
思う。本編の最後ではチバ氏が歌ってる途中に膝を突いてしまい、最後のアンコールの曲の
「世界の終わり」ではアベ氏のギターの弦が切れてしまう。はっきり言ってベストとはいえない
ライブだったにも関わらず、全てを出し切った感があった。
バイクでいうと、クラッチがイカレてギアが動かなくなりブレーキが壊れて、最終的にエンジンが
焼け付いてしまって、かろうじて車輪が前に転がってる感じというか・・。解散時にリリースした、
「エレクトリック・サーカス」ではバイクが燃えているジャケットで、それはバンドそのものの姿だったの
かもしれませんね。。
最後の最後までかっこよく、ロックンロールとはなんたるかを考えさせてくれるバンドでした。
解散しても、個々の活動は期待してます。